カテゴリー:季節
ベストにマフラーにダウンのコートの重装備がうっとうしい陽気だった。 例年、FIFA CWCの決勝戦は寒風の吹く、凍えるような日となるが、今年は暖かい南風が吹き荒れる少し異常な天候となった。 イベント屋にとっては雨よりも風が天敵だ。 屋外の設置物も多くあって、事故やトラブル防止に細心の注意をしなければならない。 私が会場に着く頃にはもう落ち着いていたが、スタッフは朝から風対策やら段取りの変更やらで大変だったようだ。 今年もアジアチャンピオンのガンバ大阪が3位を確保して、アジアの、日本のレベルの高さを示した。 決勝戦はヨーロッパと南米のチャンピオンの対決。 南米のチームは日本には比較的馴染みが薄かったが、さすが南米の覇者。一瞬のスピードと切れ味は凄い。 世界制覇より困難といわれるヨーロッパを制したマンチェスター・ユナイテッド。 ロナウド、ルーニー、朴智星・・・スーパースターがピッチを駆ける。 この真剣勝負の場づくりに参画できることを本当に感謝する。 4分のロスタイムをしのぎきって、マンチェスターの優勝。 打ちあがる花火、舞い上がる紙吹雪。鳴り止まぬ拍手と歓声。 盛り上がる大観衆の前で、セレモニー用のステージのセットが始まる。 私にとっては緊張の4分間。急げ!トラブルな! 訓練の甲斐あって予定時間内に完成。・・・終わった。 表彰式も終わり、観客もいなくなり、静かになったピッチを紙吹雪が舞う。 饗宴の後のなんともいえないこの空虚感。これもイベント屋のひとつの醍醐味。 日付も変わる頃に恒例の記念写真。 ムラヤマスタッフ全員集合! 関係者の皆様、大変ご苦労様でした。
カテゴリー:想う、感じる、伝える。
伝えないことが想いを膨らませる 出来るだけ多くの情報を与えて、同じイメージに誘導する場合とは逆に、情報を極力少なくして自由で奔放なイメージを促す場合もある。 先日、アーティストの日比野克彦さんとお話しする機会があった。 日比野さんは、ワークショップの時や、他の人とコラボする場合等では、最初はあえて自分のイメージを強く伝えないで抑えておくと言う。言葉で伝えるにしろ、スケッチを見せるにしろ、受け取り手が入り込む隙間と言うか、相手のイメージを膨らませる余地を残しておく。 そうすることで相手もいろんなアイディアを出しやすくなるし、乗ってくる。意志の疎通も進み、相乗的に良い作業が展開できると言う。 我々も似たようなことは良くやっている。 ある案件の最初の企画会議。 プランナーやデザイナーと言う専門職だけでなく、比較的畑違いの人も交えて大人数でブレーンストーミングを行う。最低限の与件だけを示して、参加者には様々な角度から自由なアイディアを出して貰う。 会議のリーダー格の人は、自身ある程度の構想とか方向感を持って臨むわけだが、最初は出来るだけ抑える。話は取りとめもなく広がるが収拾の付け方は後で考える。これがルールである。 最初にリーダー格が自分の意見を強く示せば、会議の流れは当然そちらに傾く。これでは会議は踊りも弾みもしない。単なる追認会議で終了。このような会議が続くと「ムラヤマさん最近マンネリじゃない?」となる。 = ピー・オー・ピー「見本市展示会通信」 10月1日号掲載(同紙1日号にて毎月連載中) =
ディスプレイ業で(2) ほとんどの案件が、全く新しい空間やモノを創り出す。極端に言えばまだ見たことの無いモノを創り上げる。しかも図面では全てを表記できない。図面だけでは全てが読みきれない。図面の裏に潜むお客様の想いや、図面作成までに累積し確認された微妙なニュアンスまでを含めて製作物として表現しなければならない。 ディスプレイ業とは実に危うい商売であるが、逆に言えばこれをやるのが業界の存在感であり、面白味である。 また同じ図面からでも各社によって最終成果物に微妙な、時には大きな差が出るが、その差が各社それぞれの特徴と信頼感を形成している。その差の原因は、当然各社の歴史を経て蓄積したナレッジのレベルに加えて、打ち合わせの精度に因る事が大きい。 図面の裏に潜む情報の補完と、お客様や担当者間のイメージの共有と確認のために、図面以外にも様々なモノを準備する。当然予算との兼ね合いを見ながらになるが、イメージスケッチ、素材サンプルはもとより、時には模型やCG、類似施設や制作物の取材VTR等々。 密度の高い打ち合わせを繰り返し全てが完璧に進行、全員が共通イメージを持って完成へ向けて突き進む。後は現場作業を待つだけとなる。(毎回そうなって欲しい) そして現場当日。いくら待ってもあるパートの製作物が来ない。連絡すると「アレッ、今日でしたか?明日って聞いていますが」なんてことも稀にある。 冷や汗が一筋背中を落ちていく。・・・思い当たりませんか? = ピー・オー・ピー「見本市展示会通信」 9月1日号掲載(同紙1日号にて毎月連載中) =