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想う、感じる、伝える。-⑦

-視覚-
 
西洋には古くから、視覚と聴覚は五感のなかでも優れているという考えがあって、それは対象から離れても成立するからだというようなことがネット上に在った。
 
五感の優劣を議論する気はないが、確かに視覚や聴覚は実体感の場を離れても記憶に残りやすく、またそれを表現したり伝えたりする手段が多くある。なかでも視覚は一番確実性の高い感覚と思われる。が、これが意外と当てにならない。実は人はかなりいい加減に物を見たり記憶したりしているのではないか。
 
オフィスの窓からの見慣れた町並み。毎日見続けて目に焼き付いているはずが、ある日突然この一角が再開発で取り壊される。すると昨日までの風景が明瞭に思い出せなくて戸惑う。こんな経験は皆さんもないでしょうか。
 
興味や、思い入れ、集中力などによって見え方も大きく異なってくる。
 
逃がした魚が大きいのは誰でも共通のようだが、ある事件の目撃者の一人は「犯人は赤い服を着ていた」と言い、別の一人は「いや青い服だった」なんてことは良くある。
 
さらには、感情移入と時の経過によって変質する。
 
二人で並んで見る日本海に沈む夕日。その瞬間は互いに美しいと思っても、片や、今隣に居るご主人とは違う昔の恋人と散歩した夕焼けの浜辺を思い出して、ひとり気まずい思いになる人もあれば、片やこの夕間詰めの絶好の潮時になぜ釣竿を持っていないのだろうと悔やむ人もいる。
 
時が経って、たまたま二人がこの夕日の話題に及んでも、美しい夕日の風景ではなく「昔の恋人」と、「大きな獲物」…互いにイメージはバラバラ。本当のところではかみ合っていない。
  
 
= ピー・オー・ピー「見本市展示会通信」’09年1月1日号掲載 =
 
展示会コミュニケーションサイト 「展コミ」
http://www.eventbiz.net/ 

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