養老孟司さん的に言うと、
毎日毎日、変化し続ける自分が、
かつて行ったことを、
情報として固定化してみる。
ひらったく言うと、
後ろを振り返る、って訳ではないのだけれど、
あぁ、随分昔に、こんなことをしたよなぁ?。
と過去の自分を思い返すのも、
もしかしたら、悪くないかもしれない。
と、押入れの奥のほうにあった、
昔の写真を見つけて、思ったのでした。

旅行に出かけると、思わぬ刺激を受けます。
五感からの入力がいつもより沢山ある状態。
旅行する当人だって、刺激を求めて出かけていますから、
もともと、入力に対して敏感になっていますしね。

さらに、自転車とか徒歩の旅行ってのは、
刺激に対して、肌をさらしています。
次の入力(刺激)を追っかけて、ペダルを漕ぐこと、
イクォール、肉体を使うことが旅行の全てなので、
外部に対する反応は、ストレート。になります。
そして、入力と出力のループが繰り返されるほど、
ますます、情報(入力)と反応(出力)は、
ストレートでシンプルになってゆくのです。
別の言い方をすると、
ストーリーを体験する前と、した後での、
登場人物の変化を楽しむのが小説。
ということを聞いたことがありますが、
旅行という一連のストーリーを体験することによって、
自分が変わる。
ということを楽しむ。
のが、旅行の醍醐味だと思います。

旅行の途中では、色んな方に良くしていただきます。
パンを買いに入ったお店で、
「あぁ、ちょうどお昼にするところだからご飯を食べて行きなさい。」
とか、無人駅で休んでいると、
特大のすいかや、ビールをご馳走になったことは、数知れず。

どこかで、誰かに優しくされたら、
他の人にそのバトンを渡すんだよ。
なんて、おばあちゃんに教えてもらったり
するわけです。
旅先で美味しいものを食べるのは、
誰がなんと言おうと、勿論楽しみだけれども、
誰と知り合うのか?
どう知り合うのか?
どういう気づきを得ることが出来るのか?
ということの方がずっと大切だ。
ってことを、学んだのが、私の自転車旅行でした。
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