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フォトムービー時代の幕開け

今年も残すところ、あと数日になりました。お久しぶりのSWCです。
今年はディスプレイの世界に写真で関わっている者として革命的な年でもありました。何が革命的か?それは一眼デジタルカメラによるハイビジョンムービー撮影。


最近のデジタルカメラの進化ぶりは目を見張るものがあります。特に誰でも簡単にムービーが残せること。それもハイビジョンムービーが。デジタルカメラは本来カメラですから、簡単に写真が撮れることが一番のメリットです。しかし、デジタル技術の進化というものは人の想像力をはるかに超えることが多々あります。


そのもっとも象徴的なことがハイビジョンムービーを手軽なコンパクトカメラはもちろんのこと、レンズ交換式の一眼カメラでも撮影が可能になったこと。特に一眼カメラ用の交換レンズでの撮影が写真と映像のプロたちにとって画期的な進化となりました。カメラに詳しくない普通の方々からすれば何がそんなに凄いのか?分りにくいと思うのですが・・・


それはまるで映画やドラマのワンシーンのような雰囲気のあるシーン、たとえば恋愛ドラマなどで主人公が夜の街の灯りをバックにロマンティックに浮き上がるような世界。
あるいは超広角レンズを使って人の通常の感覚をはるかに超えた世界。
あるいは接写で花や昆虫など肉眼では見ることの出来ない世界。
こういったシーンが一眼用デジタルカメラのハイビジョンムービーによって撮影が可能になりました。


翻ってディスプレイを中心とした空間の世界においてですが、最近では様々な複合的な演出効果や進化したLEDを使った幻想的で魅惑的な光の演出などが当たり前になってきています。クリスマスイルミネーションなどはその代表的なものです。


単なる静止画だけではすべてを表現しきれないシーンが多くなってきています。そういったシーンを記録するには今までの民生用ビデオカメラでは画一的な記録にしかならず、一眼用デジタルカメラによる印象的なムービー表現が非常に効果的となりました。


空間デザイナーにとってもその場の空気感を映し込んだり、こだわりのディティールを強調したり、あるいは通常の画角では納まりきれない空間を記録したり、従来の写真で残せてきたことが同じようにハイビジョンムービーで動く写真として記録できるようになりました。そう、これはまさしく動く写真、つまり今年はフォトムービー時代の幕開けでした。


今現在、ファイル形式や大きなデータ量の扱いなどまだまだ課題は少なくないですがその潜在的な可能性は新たな世界を生み出してくれる可能性を秘めています。
来年以降はさらに進化し、空間の表現方法がさらに印象的なものとなることが想像できます。


先日25日に終了してしまいましたが、当社デザイナーが関わった銀座マロニエゲートのクリスマスイルミネーションディスプレイ。撮影環境や条件が厳しい中、超広角14mm相当レンズにて撮影し、空間演出全体を記録できました。



撮影機材 Panasonic GH1 / G VARIO 7-14mm F4 ASPH.

夜桜能

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関東地方の桜はもうすっかり散ってしまいましたが、これから北の地方は本番といったところですね。
先日、靖国神社で毎年、開催されている恒例の夜桜能の撮影へ行ってきました。


夜桜能とは九段の靖国神社内にある能楽堂で毎年、桜の季節に合わせ、ライトアップされた満開の桜の下、日本古来の伝統的な能舞台を楽しめるイベントです。


撮影条件としてはかなり厳しい夜の能舞台。さらに夜桜能ですからライトアップされた桜の雰囲気もきちんと写さなければなりません。もちろん、最新のデジタルカメラを駆使し、撮影に当たりましたが、本番の能舞台は静粛とした中の撮影。無粋なシャッター音は厳禁です。


現在の一眼レフタイプのデジタルカメラは、手ぶれ補正、高感度撮影、ライブビューといった一昔前のフイルムカメラでは考えられなかった機能が常識になってきています。ですからフイルム時代の撮影よりはかなり楽になっています。ただ、最新のデジタルカメラをもってしても屋外での夜の能舞台と桜はかなり厳しい条件です。


先に挙げた機能は今や常識になっていますが今回の能舞台では特にシャッター音に注意しなければなりません。分りやすく言えばクラシックのコンサート会場などとほぼ同じ条件と言えます。なにより大きな音を立てないことが一番の課題でした。


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そこで特に威力を発揮したのが「超高感度撮影」と「静音シャッター」でした。


今回はライブビュー撮影(一眼レフのファインダーではなく背面の液晶モニタで直接、被写体を見て撮影する機能。コンパクトタイプのデジカメでは当たり前の機能)での静音撮影を行いました。結果は大成功。本番中の厳粛な能舞台を邪魔することなく、かつ美しくライトアップされた満開の桜も同時に写すことができました。フイルム時代ではおそらく撮影自体が困難な条件でした。


最新のデジタル技術が可能にした日本古来の伝統芸能の撮影。デジタルによる表現方法の変化が今まで撮影不可能だった領域を新たに切り開いてくれる。こういったことは日々の撮影でも感じていますが今後も益々増えることと思います。


歌舞伎とは対照的なシンプルで荘厳な伝統芸能の世界。まだ未体験の方はいかがでしょうか?この夜桜能も毎年、ムラヤマは裏方としてお手伝いさせて頂いています。


お久しぶりのSWCでした。

スペースカメラ

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東京・青海の「日本科学未来館・こちら、国際宇宙ステーションISS」
最近、リニューアルされたばかりの新コーナーです。ムラヤマも協力させていただいています。


国際宇宙ステーション(International Space Station、略称ISS)とは、2010年完成を目指して、アメリカ、ロシア、日本、カナダ、欧州宇宙機関(ESA)加盟11カ国が協力して建設を進めている人類史上最も高価なプロジェクトです。地上から約400km離れた地球周回軌道上に浮かび、地球や宇宙を観測し、また、宇宙環境を利用したさまざまな研究や実験を行うための巨大な有人施設で、約90分で地球の周りを一周します。


今年の7月、スペースシャトル「ディスカバリー」によるミッションで、日本製デジタル一眼レフカメラが6台使われました。シャトル内やISS内での活動記録やシャトル操縦室から切り離した後の外部燃料タンクの撮影に使用され、その内の4台がこのISSに設置され今後も引き続き活動記録の撮影に使用されるそうです。市販品とは潤滑油やファームウェアなどが一部変更されているそうですが後は量販店などで売られているものとまったく同じだそうです。


当然と言えば当然ですが、今やNASAによる最新のプロジェクトにもデジタルカメラそれも日本製のデジタルカメラがオフィシャルカメラとして宇宙空間で実際に使用されています。私も仕事等で同じようなデジタルカメラを使用しているので誇らしい気持ちです。ただ、私のメイン機材は採用されたメーカーとはライバル会社のカメラなのでちょっぴり、複雑ですが・・・(笑)。


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宇宙開発の初期の頃、NASAで採用されたカメラにハッセルブラッドというスウェーデンのメーカーのカメラがありました。プロ用カメラの定番として今も昔も有名なメーカーです。その当時の採用基準は過酷な宇宙空間で絶対に故障せず、確実に作動して確実に撮影できるカメラとして完全機械式、つまり電気部分などは皆無かつレンズも優秀なラージフォーマットのフイルムカメラが採用されていました。


アポロ計画の折、地球に帰還するときに少しでも機体を軽くするために、フイルムだけが抜かれた延べ12台のスペースカメラが月面に残されているそうです。隕石などがぶつからない限り、おそらく今でも使用できるほどの耐久性と精度を持っていると言われています。


それが今や完全電気式?のデジタルカメラが採用される時代になりました。リアルタイムのデータ通信が必須の時代にフイルムカメラはありえませんが、それでも隔世の感があります。それだけ現代の日本製デジタルカメラが優れているという証明とも言えます。日本科学未来館の撮影に伺い、ISS内を再現した空間内でそんなことが頭をよぎりました。


オマケのお話ですが私のハンドルネームSWCとは、実はハッセルブラッドの広角専用モデルとしてカメラファンの間では非常に有名なカメラのモデル名のことです。もうすでに生産は終了してしまっているのですが、何を隠そう、このカメラも1966年に宇宙へ行ったスペースカメラであったことを付け加えておきます。


お久しぶりのSWCでした。

奥州のゆらぎ

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「このガラスのゆらぎがいいのです」


「ゆらぎ・・ですか?」


「この建物の改修を担当した建築家の方が言うのですよ」


「ガラスって建設当時のものですよね」


「ええ、そうです。大正時代に作られたガラスです。今の製品に比べれば透過率も均一性も良くないのですが、それがかえっていい味が出ていると思いませんか?」


「なるほど、面白いですね。でも分るような気がします」


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「本当は全部この時代のガラスを使って改修したかったのですが、さすがにそれは無理で、展示室と講堂の2箇所だけ。でもこのガラス越しのゆらぎ方がなんとも言えません。みなさんには意外と好評なんです」


先日、奥州市に誕生した宇宙遊学館の撮影に行ったときに市の担当の方から伺ったお話。


すでに社長ブログでもご紹介した弊社が展示を担当した奥州宇宙遊学館。この建物はもともとは大正時代に建設された水沢緯度観測所・旧本館です。


老朽化が進み、解体が決定されていた建物を市が買い取り、耐震補強や往時の雰囲気を残しながら改修工事を行い、内部には展示室やシアター、ワークショップルームなどを新設しました。


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元観測所という特性と宮沢賢治のふるさとイーハトーブの地理を生かし、宇宙や天文、賢治の世界観との関わりなどを次世代へ伝える施設として新たに生まれ変わりました。


大正ロマンを感じる内外装デザインや独特のスケール感、目に優しい色合いなど。現代の建築に慣れた目にはとても新鮮に映りました。


中でも往時の雰囲気そのままの廊下や階段室は特筆もの。階上へと足を踏み入れるとき、軽くギシギシと音を立てる階段には思わずうわっと声を上げました。


展示空間もそのイメージを考慮した、あたかも研究室のような雰囲気を持つ落ち着いた空間になっています。北の地、奥州市に素適な場所が誕生しました。


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ちなみにこれらの写真は建物と同じ時代に生まれたレンズを使ってデジタル撮影したものです。宇宙遊学館もその当時の魂を残しながら、現代の技術で新たなものに生まれ変わりました。


カメラやレンズの世界も同じようなことがあります。この場所にふさわしいのでは?と、あえて持参したのは同じ時代の「ゆらぎ」を持つ齢70のとても古いレンズです。これも現代のデジタル技術で当時の空気感を残しながら生き返りました。


ガラスの「ゆらぎ」のお話を伺ったときに、たまたまですがこのレンズを持参したこと。目には見えない何か通じるものを感じました。


お久しぶりのSWCでした。

最近のデジタルカメラ考

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最近のデジタルカメラの進化ぶりは目を見張ります。特にデジタルカメラの心臓部と言えるCCD。このCCDの画素数が1000万画素を超えるデジタルカメラが当たり前の時代になりました。


特に今年になってコンパクトカメラの画素数がこの1000万画素を越えるものも多くなりました。ちなみに数年前、私が導入したウン十万円した仕事用のデジタルカメラの画素数は1100万画素でした。


1000万画素。この本当の意味が分る方がいらっしゃるでしょうか?プロ用のデジタルカメラの画素数が1000万画素を超えたときにプロの関係者の中ではこれで人が通常写真を見るに耐える画素数になったということがよく言われました。


写真を鑑賞するということは現在色々な形が生まれています。昔ながらのプリントしたもので楽しむ。パソコンのモニタで楽しむ。携帯画面で楽しむ・・・など。写真というのは基本的には人が目で見て鑑賞するものです。この目で見て耐える画質の基準はやはりプリントをしたものが一番適しています。


これはモニタや携帯画面(これも広義の意味でモニタですね)は写真を見る時の判断の元になる画素(粒子)がそれほど必要ではありません。プリントがある意味一番厳しいモノサシになります。


人が写真を見る、つまり写真を鑑賞する正しい距離というのは概ね法則があります。簡単に言えばたとえば一般的なプリンタで最大出力A4サイズのプリントを鑑賞する適正距離はほぼ40センチから45センチ。つまり手を伸ばしてその先にプリントを持った距離が一番適した距離と言えます。これ以上近くても近すぎて写真全体を正しく鑑賞することが出来なくなります。


この距離でプリントを鑑賞して人間の目の認識できる画素(粒子)の最低ラインが約1000万画素なのです。これも細かい理論的な数値がありますがここでは省きますが現在、多くのデジタルカメラが売られていますがそのほとんどが普通の人が普通に使って十分耐えうる画質をすでにクリアしていると言えるのです。


もちろん、画質というのは画素数だけで決まるわけではありません。各社そのあたりが腕の見せ所で高感度撮影や手ぶれ補正、顔認識など、普通の方たちが手軽に高画質の写真が手に入れられるようなデジタルカメラの開発にしのぎを削っています。


なぜ、こんなお話をしたか?と言うとこれから秋の行楽シーズンで運動会やイベントなどみなさん公私ともにカメラで撮影する機会が増える季節になりました。デジタルフォトを仕事にしているためか、デジタルカメラについての相談が多く、その都度色々と説明はするのですがそのときに「今や画質についてはみなさんが楽しむための性能は十分なものがあります。後は、カメラはあくまで道具ですからみなさんの手になじむものや気に入ったデザインで選べばまったく問題ありませんよ」と答えます。


もちろん、その目的によってコンパクトカメラで十分だったり、本格的な一眼レフタイプが必要だったりしますが基本的な画質については1000万画素を超えていればもう十分ということです。最近、私もあるメーカーの入門用のデジタル一眼レフカメラを購入し、実際に使ってみました。もちろん1000万画素のデジタルカメラです。実際に使ってみてやはり私の考えは正しい!(笑)と実感しました。


ちなみに空間クリエイターたちからもデジタルカメラ選びで同様の質問をされることが多々あります。デジタルカメラで美しい空間写真を撮るためのポイントは


■広角レンズ(出来れば28mmかそれ以下)
■高感度撮影
■手ぶれ補正
■1000万画素


あえて言わせてもらえばこれが必須条件です。たぶん、セレクトに困るほど各社から出ています。数年前までは想像すら出来なかったことです。あと必要なことは撮る人の感性だけです・・・。


掲載した写真は上の条件をすべて満たした?コンパクトデジタルカメラで本撮影の前にテスト撮影のために手持ちで撮ったものです。これでも仕事として十分通じるものになっています。


SWCでした。

マジックタイム

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写真を本格的にやっている方たちの間では比較的知られていることですが、写真にはマジックタイムという言葉があります。夕暮れ時、太陽が沈み、夜の帳が下りる、その直前、まだ少しだけ沈む太陽の光が残り、空の青さが夕日の赤紫を含みながら最後にほんの少しだけより美しい青さを主張する瞬間。


その時間帯を写真家はマジックタイムと呼びます。この時間帯は空間、特に屋外の建築物などを撮る場合、それらが一番美しく映える瞬間になります。あたりに僅かに残る光が建築物のディティールを映し出し、室内や室外に灯る人工光が華やかさを加え、深い青さが残る空が最高の背景になります。


この自然からのプレゼントはほんの数分間しか味わえません。空が漆黒の闇になってしまうと建築物やあたりの様子はもう正確に映し出すことはできません。ただの夜景になってしまいます。儚い瞬間です。ゆえに美しいのです。


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空間を撮る写真家にとってはこの数分間が勝負の分かれ目となります。一番美しい瞬間を逃さないように常に集中力を持って臨みます。その日の天候や季節によっても色彩の深さや鮮やかさは違います。しかし、何度撮ってもそのつど感動を与えてくれます。仕事で撮影はしていますが自分自身が美しい!と思え、感動する瞬間は誰が見ても美しい空間作品になります。


ところで、この瞬間は写真を本格的にやっている人だけのものではありません。ただ、この瞬間を普通の人たちは意外と知りません。気が付かずに見逃しているのです。撮影に立ち会っているデザイナーですら、必ず、と言ってよいほどモニターに写しだされた絵を見て驚きます。


でもデザイナーが手にしている普通のコンパクトカメラで同じ瞬間を私と同じように撮るとさらに驚きます。意外と撮れてしまうのです。ちょっとしたカメラの設定と撮り方次第で同じような写真は撮れるのです。要はその瞬間を意識して感じ取れるかどうかです。


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ここで詳しい設定はあえて記しませんが、今度からこの瞬間を意識して空を見上げ、手にしているカメラで撮って見てください。カメラはデジカメでも携帯でも何でもいいのです。自然からの素晴らしいプレゼント、儚い瞬間に触れられると思います。


もっと美しい瞬間をきちんと撮りたいと思う人は少しだけ勉強してみてください。マジックタイムでサーチしてみれば撮影ノウハウや美しい写真を見ることができると思います。


SWCでした。

Designer’s Viewpoint

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みなさんの中で写真を一度も撮ったことはないという人はいますか?たぶんほとんどいないと思います。コンパクトカメラ、一眼レフ、さらにもっとマニアックなカメラ。そして最近ではデジタルカメラ、カメラ付き携帯・・・。色々な場面で写真がより身近な時代になりました。そのときにレンズの画角というものを意識したことがあるでしょうか?間単に言えば「写る範囲」です。この画角というのは実は人それぞれに相性というものがあるのです。視覚と画角の相性です。


かつてカメラが無い時代は目に見えるものを写し取る行為として「絵画」がありました。実は画家にも自然に描く画角というものがあり、例えばセザンヌはレンズで言えば100mm(水平画角約63度)あたりが多く。ミレーや有名なオランダの風景画家たちは比較的ワイド(広角)レンズでモノを見ていたそうです。


「写る範囲」というのは人それぞれのものの見方や、考え方から自然に好ましいものが必ず存在しています。ちなみに最近のカメラ付き携帯は35mm?40mmくらいが多いはずです。このあたりが実は一番モノを自然に見つめられる画角だからです。


前置きが長くなりましたが、それではこのディスプレイの世界ではどうでしょう?私は普段、東京国際フォーラムや東京ビッグサイト、幕張メッセなどの展示会で企業が出展しているいわゆる展示ブースというものを多く撮影しています。そのときに撮影立会いとして必ずブースをデザインしたデザイナーが立会います。


デザイナーは実際にブースが完成する前にクライアントや関係者にCGでその完成予想図をプレゼンテーションしています。ですから、そのブースデザインの一番美しいアングルを知っています。撮影は全てデジタル撮影ですから、現場で実際の画像を見てもらいデザイナーに確認を取ります。そのときにほとんどのデザイナーが一発でOKを出す画角があります。


私の時代はCGなどありませんでした。(歳がばれますね)、通常はパースと呼ばれる一点透視や二点透視の手描きの完成予想図を描いていました。そのときのことを振り返ると決まって安心する「感覚」というものがありました。そのときから写真をやっていましたから、そのときの画角(=レンズ)は今でも覚えています。35mmフイルムの焦点距離で言うと20mm前後だったと記憶しています。翻って今のデザイナーはどうでしょう?


今も昔も手描きのパースでもCGでも、変わらないのです。ほとんどが18mm?28mmあたりの画角です。この世界のデザイナーは面白いほどこの画角でデザインを考えモノを見ています。これらの画角は写真を本格的にやっている人意外はあまり縁のない画角で、言葉を変えれば現実感のない視覚と言えます。


デザイナーが空間をクリエイトしていくというのは大雑把な言い方をすると現実に存在しない視覚から現実を生み出す行為と言えます。このあたりの感覚が実際のモノを見る画角に通じているのか?おそらくプロダクトやグラフィックのデザイナーはまた違った画角でモノを見ていると思います。たぶん標準?中望遠と呼ばれる、モノ自体をより見つめる画角です。ちょっと面白いと感じたのでご紹介しました。


ちなみに私のハンドルネームSWCのSWはスーパーワイドという意味です。私もこの世界の人間ですのでワイドな画角が一番落ち着きます。余談ですがこのハンドルネームでこの意味がすぐに分る人はかなりのカメラ通です。SWCでした。

デジタルフォトのメリット

はじめまして。SWCです。
ブログのライターとして名を連ね、なかなかエントリーできず、心苦しく思っていました。私の担当分野は写真。特に空間と写真について。


ディスプレイデザインと写真の関係ってみなさんどういうことを想像されますか?私たちの仕事、特にイベントやステージなどは一瞬の華やかさや感動を与えますが終わってしまえば跡形もなく消えてしまいます。この儚くも一瞬の華やかさのために関係者は長い時間をかけて苦労しています。その一瞬を形として残す手段は写真しかありません。もちろん動画(ムービー)でも記録を残す場合はありますが、どこででも手軽に、特にウェブなどでその仕事の内容を的確に伝える手段は写真しかありません。


みなさんはデジタルカメラをお持ちですか?今や一人一台の時代と言っても過言ではありません。撮ってすぐ見られる。失敗したらすぐに消せる。フイルム代・現像代がかからない・・・等、メリットはたくさんあります。私たちの仕事でもデジタルフォトがもたらすメリットは計り知れないほどです。みなさんの場合と少し違いますが・・・。


プロフェッショナルな仕事の現場ではコストとスケジュール管理が絶対です。できるだけ効率よく短時間でクオリティの高い仕事が要求されます。現場での記録写真という意味ではかつてのアナログ(フイルム)の時代に比べデジタルフォトはそのプロセスと結果、そして効果を劇的に変えました。


■撮ってすぐ見られる=クライアントの確認が容易。
■短時間での納品が可能=コストダウン
■現場で対応できなかった不測の出来事に後で対応できる=時間の効率化
などがあります。


しかし、一番のメリットは何だと思いますか?


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ここに2枚の写真があります。2004年のCEATEC JAPANの三菱電機ブースです。デジタルで撮った作品でディスプレイ年鑑やドイツの空間系専門誌にも掲載された作品です。この2枚は撮影後にデザイナーと協議しながら2枚とも作品として残したものです。デザイナーのイメージに近いのは左側で私が現実の空間として正しい色合いになっているものとして残したのが右側です。この2枚は撮影後に、色温度を変えて明るさやコントラストなどの補正を若干加えたものです。フイルム時代はカメラマンの判断により現場でフイルムの種類を変えて撮影していました。


この2枚、どちらも正しいのです。デジタルフォトはよりデザイナーのイメージに近い作品を撮影中はもちろん撮影後でも作り出すことが可能になりました。もちろん、デザイナーのイメージが最優先です。デジタルは修正・加工が容易にできます。しかし、そこに何かを加えたり、引いたりはしません。それでは作品ではなくなってしまいます。


デジタルフォトはみなさんが感じている便利さだけではなく、プロの世界ではデザイナーのイメージする世界により近いモノを生み出す道具としてなくてはならないものになりつつあります。デジタルフォトは実はそれを使う側の持つ「イメージ」というモノサシが一番大事なことであることを再認識させてくれます。


次回からはディスプレイ・空間におけるデジタルフォトについて、裏話や面白い話などをご紹介するつもりです。

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