
東京・青海の「日本科学未来館・こちら、国際宇宙ステーションISS」
最近、リニューアルされたばかりの新コーナーです。ムラヤマも協力させていただいています。
国際宇宙ステーション(International Space Station、略称ISS)とは、2010年完成を目指して、アメリカ、ロシア、日本、カナダ、欧州宇宙機関(ESA)加盟11カ国が協力して建設を進めている人類史上最も高価なプロジェクトです。地上から約400km離れた地球周回軌道上に浮かび、地球や宇宙を観測し、また、宇宙環境を利用したさまざまな研究や実験を行うための巨大な有人施設で、約90分で地球の周りを一周します。
今年の7月、スペースシャトル「ディスカバリー」によるミッションで、日本製デジタル一眼レフカメラが6台使われました。シャトル内やISS内での活動記録やシャトル操縦室から切り離した後の外部燃料タンクの撮影に使用され、その内の4台がこのISSに設置され今後も引き続き活動記録の撮影に使用されるそうです。市販品とは潤滑油やファームウェアなどが一部変更されているそうですが後は量販店などで売られているものとまったく同じだそうです。
当然と言えば当然ですが、今やNASAによる最新のプロジェクトにもデジタルカメラそれも日本製のデジタルカメラがオフィシャルカメラとして宇宙空間で実際に使用されています。私も仕事等で同じようなデジタルカメラを使用しているので誇らしい気持ちです。ただ、私のメイン機材は採用されたメーカーとはライバル会社のカメラなのでちょっぴり、複雑ですが・・・(笑)。

宇宙開発の初期の頃、NASAで採用されたカメラにハッセルブラッドというスウェーデンのメーカーのカメラがありました。プロ用カメラの定番として今も昔も有名なメーカーです。その当時の採用基準は過酷な宇宙空間で絶対に故障せず、確実に作動して確実に撮影できるカメラとして完全機械式、つまり電気部分などは皆無かつレンズも優秀なラージフォーマットのフイルムカメラが採用されていました。
アポロ計画の折、地球に帰還するときに少しでも機体を軽くするために、フイルムだけが抜かれた延べ12台のスペースカメラが月面に残されているそうです。隕石などがぶつからない限り、おそらく今でも使用できるほどの耐久性と精度を持っていると言われています。
それが今や完全電気式?のデジタルカメラが採用される時代になりました。リアルタイムのデータ通信が必須の時代にフイルムカメラはありえませんが、それでも隔世の感があります。それだけ現代の日本製デジタルカメラが優れているという証明とも言えます。日本科学未来館の撮影に伺い、ISS内を再現した空間内でそんなことが頭をよぎりました。
オマケのお話ですが私のハンドルネームSWCとは、実はハッセルブラッドの広角専用モデルとしてカメラファンの間では非常に有名なカメラのモデル名のことです。もうすでに生産は終了してしまっているのですが、何を隠そう、このカメラも1966年に宇宙へ行ったスペースカメラであったことを付け加えておきます。
お久しぶりのSWCでした。