
最近のデジタルカメラの進化ぶりは目を見張ります。特にデジタルカメラの心臓部と言えるCCD。このCCDの画素数が1000万画素を超えるデジタルカメラが当たり前の時代になりました。
特に今年になってコンパクトカメラの画素数がこの1000万画素を越えるものも多くなりました。ちなみに数年前、私が導入したウン十万円した仕事用のデジタルカメラの画素数は1100万画素でした。
1000万画素。この本当の意味が分る方がいらっしゃるでしょうか?プロ用のデジタルカメラの画素数が1000万画素を超えたときにプロの関係者の中ではこれで人が通常写真を見るに耐える画素数になったということがよく言われました。
写真を鑑賞するということは現在色々な形が生まれています。昔ながらのプリントしたもので楽しむ。パソコンのモニタで楽しむ。携帯画面で楽しむ・・・など。写真というのは基本的には人が目で見て鑑賞するものです。この目で見て耐える画質の基準はやはりプリントをしたものが一番適しています。
これはモニタや携帯画面(これも広義の意味でモニタですね)は写真を見る時の判断の元になる画素(粒子)がそれほど必要ではありません。プリントがある意味一番厳しいモノサシになります。
人が写真を見る、つまり写真を鑑賞する正しい距離というのは概ね法則があります。簡単に言えばたとえば一般的なプリンタで最大出力A4サイズのプリントを鑑賞する適正距離はほぼ40センチから45センチ。つまり手を伸ばしてその先にプリントを持った距離が一番適した距離と言えます。これ以上近くても近すぎて写真全体を正しく鑑賞することが出来なくなります。
この距離でプリントを鑑賞して人間の目の認識できる画素(粒子)の最低ラインが約1000万画素なのです。これも細かい理論的な数値がありますがここでは省きますが現在、多くのデジタルカメラが売られていますがそのほとんどが普通の人が普通に使って十分耐えうる画質をすでにクリアしていると言えるのです。
もちろん、画質というのは画素数だけで決まるわけではありません。各社そのあたりが腕の見せ所で高感度撮影や手ぶれ補正、顔認識など、普通の方たちが手軽に高画質の写真が手に入れられるようなデジタルカメラの開発にしのぎを削っています。
なぜ、こんなお話をしたか?と言うとこれから秋の行楽シーズンで運動会やイベントなどみなさん公私ともにカメラで撮影する機会が増える季節になりました。デジタルフォトを仕事にしているためか、デジタルカメラについての相談が多く、その都度色々と説明はするのですがそのときに「今や画質についてはみなさんが楽しむための性能は十分なものがあります。後は、カメラはあくまで道具ですからみなさんの手になじむものや気に入ったデザインで選べばまったく問題ありませんよ」と答えます。
もちろん、その目的によってコンパクトカメラで十分だったり、本格的な一眼レフタイプが必要だったりしますが基本的な画質については1000万画素を超えていればもう十分ということです。最近、私もあるメーカーの入門用のデジタル一眼レフカメラを購入し、実際に使ってみました。もちろん1000万画素のデジタルカメラです。実際に使ってみてやはり私の考えは正しい!(笑)と実感しました。
ちなみに空間クリエイターたちからもデジタルカメラ選びで同様の質問をされることが多々あります。デジタルカメラで美しい空間写真を撮るためのポイントは
■広角レンズ(出来れば28mmかそれ以下)
■高感度撮影
■手ぶれ補正
■1000万画素
あえて言わせてもらえばこれが必須条件です。たぶん、セレクトに困るほど各社から出ています。数年前までは想像すら出来なかったことです。あと必要なことは撮る人の感性だけです・・・。
掲載した写真は上の条件をすべて満たした?コンパクトデジタルカメラで本撮影の前にテスト撮影のために手持ちで撮ったものです。これでも仕事として十分通じるものになっています。
SWCでした。