若手社員に続き、今回はベテラン社員が登場。現場に立ち、ムラヤマの万博プロジェクトを導いた日々を振り返ってもらいました。
【参加メンバー】

下船隆宏
これまで複数の海外万博に携わってきた経験を活かし、大阪・関西万博ではEXPO推進チームの統括ならびに某大国パビリオンのプロジェクトマネージメントを担当。

岩崎浩明
EXPO推進チームが手掛けた各種プロジェクトの企画・デザインパートを担当。実施につなげるマネージメントを担当。

松本望
海外クライアントの案件獲得に向けた市場調査や入札対応を一貫して対応。実施においては、共同出展パビリオンのプロジェクトマネージメントを担当。
万博チームを牽引する3人
ムラヤマでは、多くの人員が大阪・関西万博プロジェクトに参加しました。今回のトークに登場したのは、その中核メンバーです。3人とも空間づくりに関して多くの経験を持っていますが、やはり万博は普段の仕事とは一味も二味も違うものだと語ります。
長いキャリアの中で、万博はどのような存在なのでしょうか?
岩崎:展示の世界で、万博はやっぱり最高の舞台だと思います。予算も規模も大きいですし、「こういうことができたらいいな」というアイデアが実現できてしまう。こういうチャンスは多くはありません。私は愛知万博(愛・地球博)、上海万博を経験していましたが、今回もぜひ参加したくて手を挙げ続けていました。ムラヤマにとっても、一段上のレベルの空間づくりにチャレンジできて、実績としても胸を張ってアピールすることのできる本当に大きな舞台です。
松本:私は案件を、展示会などの「仮設案件」とミュージアムなどの「常設案件」の2種類に大別しているのですが、万博は両方の性質を併せ持っています。常設案件のように時間と予算を投下して企画・設計を練り上げる一方で、いざ実施・施工となると仮設案件のように短期間で組み上げ、最後にはパッとバラしてしまう。そういった仕事の性格的にも、万博は特殊ですね。私は調査フェーズから万博プロジェクトに参加していたので、一歩ずつ仕事に適応できましたが、それでもやっぱり大変なことは多いし、とにかく長かったですね、4年間は(笑)。
岩崎:私もプランニング段階から参加しましたけど、それほど長くは感じなかったかな。毎日が1.5倍くらいの濃度だったので、あっという間に感じました。
下船:私は2008年にスペインのサラゴサ万博以来、いくつかの海外万博を経験させてもらいました。万博はどこで開催されても大変なプロジェクトですが、今回は自国・日本での開催ということで、これまでにない緊張感をもっての参加となりました。海外では、調達資材や現地パートナーの技術力など、限られた条件のなかで寛容に対応せざるを得ない場面もあります。しかし日本では仕上げる精度など短期間で求められますので、これまでとは異なる難しさがありました。
日本と海外で異なる“仕事の流儀”
ムラヤマは、過去に多くの万博プロジェクトを経験しています。しかし、今回の大阪万博は国内開催ということで、今まで以上に重い役割を担うことになりました。特に「グローバルな仕事の進め方」と「日本固有のルールや仕事観」の両方を擦り合わせながら、目指すイメージを具現化するというミッションは、ベテラン社員といえども非常に困難なものだったそうです。
海外と日本では、仕事の進め方についてどのような違いがあるのでしょうか?
下船:日本では計画を立て、コツコツ積み上げモノを作っていくと思います。でも、海外はプロセスより結果を重視する傾向にあります。そのギャップを大きく感じました。
松本:クライアントも含めていろいろと話し合いながら、現実的な着地点を探っていくのが日本流ですが、海外のみなさんは、その逆。目指すべきゴールが明確に定義された上で「実現方法は任せる」というスタンスなんです。なので契約も慎重に進めました。
岩崎:確かに、日本では最初に描いたイメージのまま最後まで進んで行くというのは、あまりないですよね。今回は展示のプロとして課題解決力みたいなものを強く求められたように感じました。
松本:あともう一つ、海外勢はプロジェクトマネージメントに関しても非常にシビアでしたね。クオリティ面はもちろん、一度組まれたスケジュールを最後まで守りきるという部分でも高い対応力を求められました。プロジェクト全体を網羅するかたちでスケジュールが組まれていて、プロジェクトチーム内の全プレイヤーの責任の所在が明確になっているので、自分たちが遅れるとどこにしわ寄せが行くのかがハッキリとわかってしまう。ですから、他のプレイヤーも同じだったと思いますが、常に「俺たちもスケジュールを守るから、みんなも守ってくれ!」みたいな気持ちを持ちながら仕事をしていました。
下船:日本は法規やルールなど厳しい国です。万博では、そこに重ねてより高い意識が求められます。限られた時間で、様々な課題を解決し完成させていくことは貴重な経験になりました。
組織として挑む
海外とのギャップ。日本ならではのルール。そして、様々なクライアントの想い。それらを受け止めながら、万博の成功を目指す……。
この困難なミッションを完遂できた背景には、過去の様々なプロジェクトの経験とムラヤマの組織力があったからだと3人は語ります。
若手のみなさんは、万博が貴重な経験になったと語っていました。ベテランのみなさんは今回の万博で、どのような手ごたえを感じましたか?
松本:デザイナーから営業となって初めての万博でしたが、シンプルに「やってよかった」と思います。仮設と常設、両方が凝縮された経験ができるのは万博案件だけで、5年に一度しかないわけです。しかもこの先、自分が現役中の国内開催はもうない。そんなユニークプロジェクトのハンドリングは、非常に貴重な経験になりました。もちろん想定外の事態も多くて大変でしたけど、大変なのは万博に限った話ではないですからね。未知の課題でもなんとか乗り越えられたのは、過去の様々な経験と、社内外のみなさんの協力があったからこそだと思います。
岩崎:私はこれまでクリエイティブの分野がメインだったのですが、今回の万博ではチームマネージメント的な役割も任され、人に動いてもらう大変さを実感しました。クライアントに信頼されるには、まず協力していただくパートナーも含め、チームの信頼を得なければいけないし、間違うと今まで積み上げてきた自身の信頼も失いかねない。そういうプレッシャーを常に感じていました。でも、過去の万博経験をもとにメンバーの気持ちに寄りそうことで、最終的にみんなが「やってよかった」という想いになれたのではないかと思います。
下船:関わる人数が多い分、意思疎通や調整には多くの時間を費やしたと思います。万博という大舞台では、みんな不安だし摩擦も起こりました。
岩崎:そういう面では、下船さんにはいろいろお世話になりました(笑)
下船:今回無事にプロジェクトをやり遂げられたのは、やはりムラヤマ社内の皆様の支えがあったからだと思います。我々が万博の業務に専念できるよう、多くの部門の方々がバックアップしてくださいました。また、関西支社へ赴くたび、皆様がそれぞれの業務にひた向きに取り組まれている姿は、幾度となく私自身の励みになりました。
ムラヤマにとって「万博」とは
多くのキャリアを重ねても、万博の現場では大きな壁に何度も直面。その壁を乗り越えようとするなかで、個人としてはもちろん、組織としても大きな成長が得られたと語ります。
万博の経験は、どのような価値があると思いますか?
松本:私自身に関しては、仕事の引き出しが格段に増えたかと思います。入札から撤去までの間に、国内外の様々な立場の人と一緒に、様々な仕事の進め方を経験しました。普段とは異なるハードルが色々ありましたが、そのぶん得たものもたくさんあります。特に参画した若いメンバーにとって万博は、一気に成長できた貴重な機会だったのではないでしょうか。
岩崎:万博は大きな実績になりますよね。私自身、過去に万博を経験していたことで、「万博を担当していました」と言うと、クライアントや協力会社パートナーも安心してくれるように感じますし、周囲からの信頼なども高まったように感じています。会社としても万博の実績は大きな財産なのではないかと思います。
下船:万博での経験は個人にとっても会社にとっても実績や自信につながります。今回、万博を経験した若手が大きく成長したと思います。また、多くの社員が大阪・関西万博に参加できたことで、ムラヤマの底力がアップしたのではないでしょうか。
万博の経験をつなぐ
今後、万博プロジェクトへの参加に迷っている人がいたら、どんな声を掛けますか?
松本:「自分でも気がつかないうちに成長するから、やった方がいいよ」って言いたいですね。苦労でも楽しさでも、やっぱり経験や体験が自分をつくると思いますから。
下船:何かあっても、先輩が助けてくれますから、ぜひチャレンジしてほしいです。
岩崎:大変なのはどの仕事も同じだと思いますし、実際、多くの人が自分の担当する案件で一生懸命に頑張っています。そんな中で世界が注目するビッグイベントを経験できるというのは、本当に貴重なチャンス。思い切ってやってみることをおすすめします。
下船:若い方に参加してもらい、私たちが先輩から継いできたことを次に繋げていってほしいです。
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まとめ
ムラヤマでは、準備期間も含めて約5年にわたり大阪・関西万博に取り組んできました。それは長く険しい道のりでしたが、完成した会場を見た時、来場者があふれる様子を見た時、みんな素直に「よかった」という気持ちになれたと語ります。自分が担当したパビリオンはもちろん、万博全体が成功したことに幸せを感じたようです。
ムラヤマは大阪・関西万博の経験を、さらなる感動づくりに繋げてまいります。ミャクミャクと。
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