
ムラヤマのユニークな制度「感動体験支援施策」。この施策を利用した社員がどんな場所に赴き、何に心を動かされたのかを、インタビュー形式でお届けする企画です。今回は『挑戦』がテーマです。
感動体験支援施策とは?

展示会やイベント、教育・文化施設、国際プロジェクトまで……ムラヤマは人の心を動かす空間づくりを幅広く手掛けています。そんな私たちの仕事にとって「感動体験支援施策」は人の心を動かす感性を磨く大切なきっかけになっています。このコラムでは、ムラヤマの「感動体験支援施策」を通じた社員たちの体験談をご紹介します。
自ら”飛び込む”ことで得られる感動
展示会や舞台鑑賞など、優れた作品を見て感性をチャージする。 感動体験支援施策の利用例として多いのは、こうした”受け取る”体験です。もちろん、それも素晴らしい学びの機会です。
しかし今回ご紹介するのは、あえて自らがプレイヤーとなり、汗をかき、悩みながら掴み取る能動的な体験を選んだ3人の社員たちです。
なぜ彼らは、安らぎや癒やしではなく、負荷のかかる「挑戦」を選んだのでしょうか?能動的な体験だからこそ得られた、「リアルな気づき」をご紹介します。

CASE.1 伊藤さん | マスターズ甲子園出場
「享受する感動ではなく、自分の限界で掴み取る感動を体験したかったんです。」
伊藤さんが挑んだのは、高校野球のOB/OGが夢の舞台を目指す「マスターズ甲子園」(※1)。 所属するチームは約50名の大所帯で、ベンチ入りすることさえ容易ではない厳しい環境だったそうです。
普段の試合でも出場する機会に恵まれなかった伊藤さん。そこで、出場機会を勝ち取るために2年間という歳月をかけて準備を重ねました。 ただ闇雲にバットを振るのではなく、自らのバッティングを動画で撮影し、徹底的にフォームを改善。「昔はこうだった」という感覚を捨て、客観的な事実として自身と向き合い続けたと話してくれました。
「感覚ではなく、事実ベースで現状と理想の差を埋めていく。仕事では当たり前にやっていることですが、改めてそのプロセスの大切さを、身を持って再確認できました。」
地道な積み重ねが実を結び、見事「甲子園でのヒット」という最高の結果を手繰り寄せました。
CASE.2 石原さん | 100kmマラソン
「達成できるかわからない。だからこそ、その先にある予測不能な達成感に出会いたかった。」
石原さんが選んだのは、完走率が半分を切ることもある過酷な「100kmマラソン」でした。
肉体の限界を突きつけられる100kmの道中で、石原さんは何度も足が止まりそうになりながらも、前へ進み続けました。ボロボロの状態で迎えたゴールの瞬間、胸に満ちたのは、誰かの評価ではなく「自分でやり遂げた」という揺るがない実感だったそうです。
「自分のことが好きになりました。」
完走という結果は彼女に強い自己肯定感をもたらしたとのこと。過酷な挑戦を本気でやり抜いたという事実は、何があっても自分を信じられる確かな自信へとつながり、石原さんにとって大きな転機になっていました。
CASE.3 佐々木さん | 舞台美術製作
「大学時代に専攻していた舞台美術の『デザイン力』や『技術力』を活かしたかったんです。」
学生時代に学んだ「舞台美術」への情熱を持ち続け、外部の舞台製作に参加した佐々木さん。 限られた予算と時間の中で、絶対に穴をあけるわけにはいかないという責任感と、仲間からの期待に応えなければならないという緊張感。 そんな「見えない汗」をかきながら、彼女はモノづくりに向き合ったとのこと。
そこで改めて痛感したのは、地道な下準備がいかに重要かということでした。
「現場でのとっさの判断も、すべては事前の段取りがあってこそ。下準備がクリエイティブの力を支えているんだと、身に沁みて感じました」
純粋な創作活動として取り組んだからこそ、彼女は基本の大切さを新鮮な気持ちで受け取ることができていました。
自ら手繰り寄せた感動
3人に共通しているのは、本気で何かに打ち込んだことで、仕事における大切な「初心」や「基本」を取り戻している点でした。
「できないかもしれない」という不確実な環境に身を置くことは、凝り固まった視点を解きほぐす一つのきっかけになるのかもしれません。机の上だけでは得られない、心が震えるような体験。それは、自ら行動し、日常の枠を一歩踏み出したその先に待っています。
3人の挑戦の記録は、そんなクリエイターとして常に持っておきたいフレッシュな感覚を思い出させてくれました。
次回は「探求」をテーマに綴っていきます。
text by 加持 翼
(※1) マスターズ甲子園:全国の高校野球OB/OGが、世代を超えて母校のユニフォームを着て甲子園出場を目指すスポーツ大会。
