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〈感動ノート page.15〉なぜ人は「本場」を目指すのか?

感動ノート

年間で数百件にも及ぶ感動体験レポートを見ていて、ふと気づきました。
グルメやスポーツの発祥地など、 いわゆる「本場」と呼ばれる場所を目指す人が、かなり多いんです。


今回ご紹介する小松さんも、その一人。
官公庁や大学、各種団体などの式典の会場づくりを支えるベテラン社員です。


本場のチョコレートを、とことん味わってみたい!
憧れの名作絵画を、現地で心ゆくまで鑑賞してみたい!
2つの念願を叶えるためにベルギーへと渡航した小松さんは、本場を巡り歩く中で、いったいどのような感動に出会ったのでしょうか?

コラム「感動ノート」について

ムラヤマでは「感性豊かな社員」育成の一環として、毎年、「感動体験支援施策」を実施しています。本コラムでは、この施策を利用した社員のレポートの中から気になる感動体験をピックアップ。体験者とともに様々な心の動きや、新たな感動を生み出すためのヒントなどを探っていきます。

感動体験支援施策の詳しい内容については〈感動ノート page.00〉からどうぞ。

本場のチョコレートの味を求めて

みんな大好きチョコレート。
でも、わざわざベルギーまで行ってしまうとは……。
その熱量の源は?その理由は?何なのだろうか。


小松さんがベルギーへ渡った背景には、いくつかの旅の経験がありました。


「スペイン。ベトナム。メキシコ。様々な国で自分の知らないチョコレートに出会う中で、もっとチョコレートのことを知りたいと思うようになりまして。そうなると、やっぱり行きつく先はベルギーですよね。一度でいいから本場の味を体験してみたい!想像を超えるチョコレートに出会えるかもしれない!という想いで『チョコレートの本場』を目指しました」


ベルギーに渡った小松さんは、老舗の高級チョコレート店や国際的に高評価を得ている日本人ショコラティエのお店、ベルギーを代表する某有名ブランドの本店にも足を運び、本場のチョコレートを味わいました。


「確かに、どのお店も美味しかったです。でも、味覚だけに限って言うならば、想像を超えるほどではなかったというか、これまでの旅で感じた『自分の知らない味覚』みたいものには出会えなかったというのが正直な気持ちです。純粋に味だけに限って言うなら、東京のデパ地下でも同じくらい美味しいチョコが買えます(笑)」


チョコレートだけに、ちょっとほろ苦い体験になったようです。もしかしたら小松さんの舌が肥えすぎてしまったのかもしれません。


「それでも、わざわざベルギーまで行ってよかったです。本場に行って、その味を確かめられたこと。一度は食べてみたいという気持ちを満たせたこと。そういった納得感とか達成感みたいな感覚は、やはり現地に行かなければ得られなかったかと思います」


本場の味とはどういうものか?ずっと抱いていたその問いに、自分自身で答えを出せたことは、小松さんにとって味わい以上に価値のある体験になったようです。

名画の故郷を訪ねる

チョコレートに加えて、もう1つ、今回の旅行には絵画鑑賞という目的もありました。
レンブラントやフェルメールなど、偉大な芸術家の作品を現地の空気の中でじっくり味わう。その体験は、まさに想像以上だったと語ります。


「絵画に描かれた街並みを歩いて、画家と同じ空気を吸うという体験は、現地でなければ味わえないものでした。」


名画の舞台を全身で感じるというのは、まさに本場ならではの体験です。 今回の旅で小松さんは各地の美術館も訪問。数々の名画を一気に見て歩くだけでも稀有な体験ですが、作品の展示環境にも日本とは異なる特別なものを感じたそうです。 


「現地の美術館では、時間の制約がなく、じっくりと向き合いながら作品と対話できるんです。上下左右いろいろな角度から眺めることで見えてくるものがあったり、時間を費やして想いを巡らせることで見えてくることもありました。
それから、見る人と作品の関係性がすごく身近というか、物理的にも心理的にも距離が近いということも印象的でした。ガラスで隔てられていない作品も多いですし、その場で横になって眺めている人もいました。好きな作品を、好きなように、好きなだけ見られるという環境は日本では体験できないものでした」


そこに行けば、いつでもその作品に出会える。そして、好きなように、好きなだけ見ていられる。これって、きっとすごく贅沢なこと。不朽の名作には、そういう静かな時間こそふさわしいように感じます。

本場に宿る、不変の価値

感動体験の舞台としてベルギーを選び、2つの念願を叶えた小松さん。
あらためて「本場」の価値について尋ねてみたところ、みずからの仕事と重ね合わせながら「不変であることの価値」について語ってくれました。


「私は主に式典などの案件を担当しているのですが、この仕事は毎年同じことをやり続けることが大切なんです。何十年も変わらずに同じ場所、同じ様式で開催する。それこそが、参加されるみなさんの求めることであり、価値なんです。でも毎年、同じように続けていくことって、じつは当たり前じゃない。何十年も何百年も継承することはできませんから。何も変えずに守り続けていくことって、じつはとても大変だし、すごく貴重なことなんです 」


何も変えずに長く継続していく中で、その場所がみんなにとってかけがえのないものとなり、やがて「その場に身を置かなければ得られない価値」となる。歴史を重ねた式典にも、伝統が息づくベルギーの街にも、そういった価値があるからこそ、多くの人を惹きつけるのではないでしょうか。


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